最終更新日 2024年10月31日
「アトックスの事業内容について知りたい」
「福島復興について何か自分にできることはないか探している」
「アトックスで働きたい」
2011年に発生した東日本大震災によって、甚大な被害を受けた福島の復興は現在も続いています。
福島の復興事業に取り組む企業も数多く存在していますが、株式会社アトックスもその中のひとつです。
こちらは東京都港区に本社を構える企業で、原子力発電関連事業や原子燃料サイクル関連事業、RI・ライフサイエンス事業などを手掛けています。
日本初の商用原子力発電所である東海発電所の運転が開始された1966年よりも前に、日本原子力研究所東海研究所(現:JAEA(国立研究開発法人日本原子力研究開発機構))と業務委託契約を結んでおり、これまでに数多くの原子力関連施設のメンテナンスを実施してきました。
現在は、長年にわたる数多くの施設でのメンテナンスによって培われた豊富な経験とノウハウを医療分野にも活かしており、健康管理につながる高度な機器の実用化に向けた研究開発も行われています。
また、長年にわたり蓄積された経験やノウハウは、福島第一原子力発電所の廃炉事業にも活かされています。
株式会社アトックスは、2014年に福島復興支社を設立し、福島第一原子力発電所内の汚水処理装置の運転や放射線の管理、環境改善などに従事するとともに、中間貯蔵施設に関する放射線管理業務も手掛けてきました。
ここからは、株式会社アトックスが手掛ける福島復興事業について確認していきましょう。
株式会社アトックスの福島復興事業
株式会社アトックスの福島復興事業は、大きく廃炉工事・設備工事・環境施設・地域復興の4つの軸で構成されています。
廃炉工事
廃炉工事は、汚染水が貯蔵されているフランジ型タンクの解体に向けた事業です。
主に、タンク内の汚染水の移送やクラッドと呼ばれるステンレス製のカバーの回収業務などを手掛けていますが、建屋内の放射線量軽減に向けた事業にも取り組んでおり、放射線量の調査や除染活動を実施しています。
放射線量が高い場所ではドローンを活用した測定を行うとともに、「RACCOONⅡ」による除染作業にも取り組んでいます。
RACCOONⅡは、株式会社アトックスが独自に開発した小型遠隔除染装置で、従来の装置では作業するのが難しい場所での除染作業を可能としました。
設備工事
設備工事は、汚染水に含まれるセシウムやストロンチウムといった放射性物質濃度の低減を目的とした事業です。
「KURION」「SARRY」と呼ばれる2種類のセシウム吸着装置の運転や保守管理を手掛けるとともに、トリチウムという放射線物質以外を除去することを目的に、「ALPS」と呼ばれる多核種除去設備の運転・保守管理などにも従事しています。
環境施設
環境施設は、福島第一原子力発電所の復旧作業に従事する作業員に対する適切な防護措置を目的とした事業です。
福島第一原子力発電所内での作業は常に被爆のリスクが伴いますが、定期的に構内の放射線測定を行うことで作業員が安全に作業できる環境の維持に貢献しています。
地域復興
地域復興は、福島県内の汚泥処理施設や浄化センターなどにおける放射線管理や、対策地区内の廃棄物処理などを行う事業です。
加えて、福島復興支社に倉庫を設けることで地域のニーズにも応えています。
技術開発センターについて
以上が株式会社アトックスが手掛ける福島復興事業の概要となりますが、この事業のベースとなっている技術が開発されているのが技術開発センターです。
技術開発センターは1988年8月に千葉県柏市に開設された施設で、機器・装置・工法の開発、ロボットや遠隔技術サービスの提供などを行っています。
福島復興につながる技術も積極的に開発されており、高線量な環境下でも安全に作業できる除去装置、原子力発電所の廃炉作業に伴って発生した放射線廃棄物の処理方法や、金属廃棄物の解体・減容工法などの開発が行われています。
加えて、技術センターでは高精度な放射能測定機器による放射能測定サービスも実施しており、水・土壌・作物などの放射能を測定することで安全性の確保に貢献してきました。
福島復興に携わる人材育成に力を入れている
また、福島復興に携わる人材育成に力を入れているのもこちらの企業の特徴です。
2016年に福島復興支社に技能訓練センターにおいて、作業現場に潜む危険を学び、安全かつ確実な作業につなげる危険体感訓練や、日常的に扱う電気に関する基本的な知識の習得と取り扱いを学ぶ電気関係教育などの「基礎教育」、福島第一原子力発電所内での作業に欠かせないマニピュレーターやロボットの操作を学ぶ「遠隔操作技能訓練」などの訓練やトレーニングを実施しています。
加えて、フルハーネス使用作業や低圧電気取扱業務などの「特別教育」や仮設ポンプ分解組立や切断技術、放射線測定器の取り扱いなどの「技能向上教育」も行っており、安全かつ高品質なサービス提供につながる人材を数多く輩出していきました。
まとめ
さらに、「非破壊検査試験技術者」「第二種電気工事士」「ビルクリーニング技能士」などの資格取得支援も積極的に行っており、福島復興に大きく貢献する人材の育成に努めています。